不公平な遺言から財産を取り戻す「遺留分侵害額請求」の基本

「遺留分(いりゅうぶん)」とは?
遺言書の内容に関わらず、法律で保障されている「一定の相続人が最低限受け取れる財産の取り分」のことです。
この侵害された(本来もらえるはずだった)取り分を、「お金で払ってほしい」と請求する手続きを「遺留分侵害額請求」と呼びます。
遺留分がもらえる人:配偶者、子ども(孫)、親(祖父母)
遺留分が【もらえない】人:亡くなった方の兄弟姉妹(甥・姪)
いくらもらえる?:原則として「本来の法定相続分の半分」です。(※相続人が親や祖父母だけの場合は3分の1)
法改正のポイント(2019年〜)
昔は請求すると「不動産の一部が自分の持ち分になる(共有状態になる)」というルールで、後々トラブルになりがちでした。現在はルールが変わり、「現金の支払いで解決する」と明確になったため、よりスッキリと解決しやすくなっています。
【最重要】「1年」という厳しいタイムリミット(時効)
遺留分の請求で一番怖いのが「時効」です。以下の期間を過ぎると、一切の権利が消滅してしまいます。
原則:亡くなったこと、および「自分の遺留分が侵害されている(不公平な遺言などがある)」と知った時から1年以内
例外:知らなくても、亡くなってから10年経過で消滅
【時効をストップさせるには?】
1年以内に相手に対して「遺留分を請求します」という意思表示をする必要があります。証拠を残すため、必ず「内容証明郵便」を使って通知しましょう。
お金を取り戻すための4つのステップ
自力で進めることも可能ですが、親族間の金銭トラブルは感情的になりやすいため、以下の流れで進めます。
STEP 1:当事者同士での話し合い(協議)
まずは相手に連絡し、支払いを求めます。合意できたら「言った・言わない」を防ぐため、必ず合意書(書面)を作成し、双方が署名・捺印します。
STEP 2:内容証明郵便の送付
相手が応じない、または話し合いにならない場合は、時効を止めるためにも「内容証明郵便」で正式に請求書を送ります。
STEP 3:家庭裁判所での「調停」
当事者だけで解決できなければ、裁判所の「調停委員」を間に挟んで話し合いを行います。顔を直接合わせずに冷静な交渉が可能です。
STEP 4:裁判(訴訟)
調停でも決裂した場合、最終的には裁判官に決着をつけてもらいます(※請求額が140万円を超える場合は地方裁判所になります)。
必要な準備と注意点
【必要書類】
手続きには、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでのすべての戸籍謄本、相続人全員の戸籍謄本、不動産の証明書や預金通帳のコピーなど、膨大な資料集めが必要です。
【税金の注意点】
遺留分としてお金を取り戻した場合、その金額によっては「相続税」を追加で納める必要があります(亡くなってから10か月を過ぎている場合は期限後申告になります)。
弁護士に依頼するメリット
「費用がかかるから…」と迷っている間に1年の時効が過ぎてしまうケースが後を絶ちません。遺留分の請求を弁護士に依頼すると、以下のメリットがあります。
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正確な財産調査と計算(不動産の評価や過去の生前贈与の計算など、素人には非常に困難な計算を任せられます)
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内容証明の送付による時効ストップ(迅速に対応してもらえます)
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相手との直接交渉を回避(ストレスや親族間の決定的な亀裂を防ぎます)
※司法書士との違い(司法書士は140万円を超える請求の代理交渉や裁判ができませんが、弁護士なら金額に関わらず全て任せられます)
以上、遺留分侵害額請求について説明してきました。
上でも述べた通り、なんといっても1年という時効がありますので、ゆっくりとしている時間はありません。
何をすべきかを早期に把握する必要があります。
是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。
相続の専門家として事案ごとに適切なアドバイスをさせていただきます。
この記事の執筆者
- 島・鈴木法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
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