相続した借地権を返還したい方へ

この記事を読むのに必要な時間は約5分です。

借地を相続したものの不要になので、地主に借地権を返還したいということがおありかと思います。

 

しかし、特に考えもせず、借地の価値を把握することもなくタダで借地権を返還してしまうのはもったいないですし、自己の費用で建物を返してしまうのは非常に惜しいかなと思います。

 

借地権も権利なので物にもよるのですが相応の価値があります。
一般に借地権は土地の価格の3割から9割もの価値があります。市街地ほど割合が高くなる傾向にあります。国税庁の路線価図をご覧になると、借地権の割合が分かります。

 

横須賀周辺ですと6割前後が多くなっています。

例えば、2000万円の土地を借りていたならば、借地権の価値は1200万円程度にもなるため、借地権をタダで返還することがいかにもったいないことか実感できると思います。

 

1 地主に買い取ってもらう

まず、地主に借地権を有償で返還する方法があります。当然建物は現状での引渡となります。地主が自ら土地を利用したい場合などでは、喜んで買い取りに応じてくれることもあります。手続としては最も簡単で迅速に行えます。

 

ただ、地主の方は交渉において一筋縄ではいかない方が多いので、それなりの交渉スキル無しには望む解決は難しいかと思います。

 

2 第三者に借地権を譲渡する。 

次に、借地権を第三者に売るという方法があります。この方法だと、地主がお金を持っているか否かに関係なく、適正な価格で借地権を売ることができます。

 

しかし、借地権を第三者に譲渡する場合、譲渡することについて「地主の承諾」が必要になります。法律で地主の承諾が必要とされており、承諾無しに借地権を譲渡すると、契約を解除されて、借地権が消滅してしまいます。

 

地主が承諾しない場合、裁判所に対して「地主の承諾に代わる許可」を求めます。裁判所の許可が出たときには、地主の承諾があったのと同じものとして借地権を第三者に譲渡することができます。これを「借地非訟」といいます。借地非訟は時間が多少掛かりますが、相場にて決着しますので有効な手段と言えます。

 

3 等価交換する

等価交換するとは、借地権の価値と残りの土地の価値で土地を分割することになります。横須賀では、借地人は土地の6割の所有権を、地主は土地の4割の所有権を得ることになるといった具合です。

 

借地人は借地権の価値分が自分の所有権の土地となるため、地主の承諾無しにその土地を第三者に売ったり、利用したりすることができようになります。

 

 

ただ地主が等価交換に応じるとも限らないというデメリットもあります。

 

4 共同売却をする

また、借地権付き建物と借地を一緒に売却するという方法もあります。
売却できた場合、借地権の価値と建物の価値を借地人として受け取ることが出来ます。

 

この方法は双方負担がないため有用ですが、地主が「先祖代々の土地だから」等といって同意しない場合もあります。

 

5 現状にて返却

最後に、借地権の買い取りなど要求しないから現状での解約を認めてもらう。という方法もあります。少なくとも借地権の譲渡などは行うことが出来、新たな所有者が不動産会社ということになると、地主も今後の対応が煩わしくなるため、応じる可能性は十分にあります。

 

以上の交渉・提案を経てそれでもだめなのであれば、更地にして返すという方法をはじめて検討すれば良いかと思います。

 

借地権の返還は借主だけの問題ではなく、地主が絡み問題が複雑化しがちです。当事務所では不動産会社とも連携して借地の価値を把握した上で色々な提案をすることが出来ます。

 

正直、横須賀周辺には価値のない土地も多数存在しています。その辺りの対応も含めて是非当事務所の初回無料法律相談をご利用下さい。

 

 

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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