相続財産の中に不動産がある方

相続財産の中に不動産があることは多々あり、現金、預金、株式のようにすぐに看過できないため、遺産分割協議がうまくいかないことも多々あるのではないでしょうか。

 

例えば、

不動産などいらないから預金をこちらに渡して欲しい。

長男である自分がこの不動産を相続すべきだ。

家業に必要な不動産だからこの不動産を渡すわけにはいかない。

などなど。

 

このような場合どのように遺産分割協議を進めれば良いのでしょうか。

不動産に精通し、不動産業者と懇意にしている弁護士に依頼することをおすすめします。

というのも、そのような弁護士であれば、事前にその不動産の価値を把握することができ、

場合によっては買い取る業者を見つけてその金額まで確定させることが出来るのです。

 

双方弁護士が付いていても、一方の弁護士はそのような発想すらなく淡々と遺産分割協議をするだけで、裁判所において3000万円の財産として計算されている不動産を3000万円と思い込み、他方でもう一方の弁護士は5000万円で買い手を決めていると言うことも、ままあるのです。

 

多少相手の言い分を聞いても、上のケースだと既に2000万円の利ざやがあるのでどうということはないのです。

実際に私が代理した事案で、複数ある不動産の内の1つが相手に支払う代償金の金額を大きく超えており、その他財産も含めて取得できた場合もあります。

自分で遺産分割をしても同じ、どの弁護士に頼んでも同じ、というのは大きな間違いといえるのです。

 

もう一つ、遺産分割協議においては不動産の価値について意見がまとまらないことがあります。

その様な場合にも、不動産業者を懇意にしている弁護士であれば、自身が有利となるように様々な手段を講じることが出来ます。

いずれにせよ、相続財産に不動産が含まれている場合、相続に精通し、不動産にも精通し、不動産業者とも懇意にしている弁護士を見つけることが出来れば、それだけで有利に遺産分割協議をすすめることが出来ます

以下、具体的に述べていきます。

①自宅不動産を取得したいが、多額の代償金を支払えない場合

 

基本的には不動産も売却して遺産分割をする必要がありますが、不動産を維持するために採るべき方法は2つあります。

 

1つ目は、不動産の価格を下げることです。遺産分割の際、不動産の評価方法は複数あり、自己に有利な方法を選んで、代償金の金額を下げるのです。

 

2つ目は、被相続人の方の生前に遺言を書いてもらいます。被相続人の方も自己の自宅がすぐに売却され更地となることを好まないことも多く、この家をずっと残していきたいという気持ちを伝えるということは悪いことではありません。

 

②不動産ではなく代償金を取得したいが、跡取りの長男が代償金を支払うだけの経済的余力がない

 

この場合ですと、不動産売却の可能性が高まります。

考えていらっしゃることが実家を残したいということであれば、代償金を下げてあげれば良いのですが、しっかりと法定相続分を相続したいと言うことであれば、不動産を売却する他ないと思います。

 

③遺産の土地の境界が不明確で、遺産分割の進め方が分からない

 

不動産を売却するためには土地の境界を画定させる必要があります。

ひとまず測量士の方に頼んで境界がどうなっているか調査することをおすすめします。

隣地の確定が出来ない場合は、筆界特定制度や境界確定訴訟行う必要があります

 

④遺産のアパートの評価額について納得できない

 

①でも述べましたが、不動産には色々な評価方法があるため、再度ご自身で査定をしてもらうべきです。

私の担当した事件で当初は遺留分なしということになっていましたが、不動産の価格を再調査して、結果数千万円の遺留分を獲得した事案もあります。

諦めずに、現在の査定を疑ってみることが大切です。

 

⑤遺産が空き家になっていて処分したい

 

対象不動産が駅から徒歩圏内で自動車が駐車出来るのであれば、すぐに買い手も見つかりますが、山の上で自動車は通行できない場所にある場合、売却が難しかったりします。

処分するまでは固定資産税もかかるため、持ち出しになってしまう場合もあります。

そういった際も不動産会社と懇意にしている弁護士であれば、買い取りをお願いすることも出来ます

諦めずに相談されることをおすすめします。

 

⑤祖父母の代の土地や不動産が祖父母の名義のままになっていて処分・取得したい

 

不動産の名義を実際の相続の通りにしっかりと登記していく必要があります。

他の相続人がいる場合は更に遺産分割協議をして処分するのか、誰が相続するのかを決める必要があります。

 

⑥共有者が行方不明になっている不動産があり、何もできなくて困っている

 

弁護士に依頼すれば戸籍を調査して現住所を把握できます

中には海外に行き、今現在どうなっているかわからない場合もあり、そういった際は不在者財産管理人制度を利用することとなります。

 

以上相続財産に不動産がある場合について述べてきました。

不動産は、一般的に価値が高く、相続財産の中で占める割合も高いため、相続の帰趨を決める遺産と言えます。

そんな不動産について、しっかりと理解し、調査した上で相続されるべきと言えます。

まずは当事務所の初回無料法律相談をお気軽に利用されてはいかがでしょうか。

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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