お墓の世話は法律的にどうなっているか

この記事を読むのに必要な時間は約3分です。

お墓は相続財産と言えるのでしょうか。また一体誰が管理維持するのでしょうか。

 

法律では、お墓等のいわゆる祭祀財産には、系譜、祭具、墳墓の3種類があり、祭祀財産については、祖先の祭祀の主宰者に帰属するとされています(民法897条)。

 

つまり、祭祀財産については、相続財産とはならないのです。

 

ただ、こんな審判例もあります。
遺体・遺骨の所有権の帰属については、「慣習上の祭祀主宰者に遺骨が帰属する。」(最三小判平成元年7月18日)とされています。

 

それでは祭祀の主宰者とはどのような人なのでしょうか。

 

祭祀の主宰者とは、祭祀財産を管理していく者のことをいいます。

その決定方法は

 

①被相続人の指定

 

②慣習

 

③家庭裁判所の審判

 

となります。

 

①被相続人の指定

被相続人が墓を守って欲しい人を指定した場合であり、口頭でも可能です。遺言書があった方が確実であり、紛争も防げます。お墓を気にされる方であればほぼ100%遺言にて指定されます。

「墓を守ってくれ」との発言を祭祀の主宰者の指定と解した審判例があります(前橋家審平3.5.31)。

 

②慣習

お目に掛かったことはなく、そのような慣習も聞いたことがありません。

 

③家庭裁判所の審判

裁判所被相続人の指定がないときに、どうしても祭祀の主宰者を決める必要があり、話合いがうまくいかないときは家庭裁判所が一切の事情を考慮して、祭祀の主宰者を決めることとなります。

 

被相続人との関係、被相続人の意思、お墓の場所などで判断されます。

実際には、ほとんどのケースで、話し合いで誰が、どうやってお墓を管理するか相続人間の話合いで行われています。

 

これまで述べてきた祭祀財産の承継ですが、実は、承継をしたところで祭祀を行う義務を課されるわけではないのです。やりたくないなら放っておくことも可能なのです。

 

まとめ

 

以上述べてきたお墓の問題いかがでしょうか。

 

相談にいらした方に「お墓は相続財産ではないので・・・」と説明すると、驚かれ、更には、まったく信じてもらえず、怒られたりもするのです。

 

面倒だな、もっと詳しく聞きたい、遺産分割の中で同時に解決したい、などありましたら、お気軽に当事務所の初回無料法律相談をご利用下さい。

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
相続財産の分け方で困っている

相続財産の分け方で困っている

「親族が揉めていて話し合いが進まない」
「相続財産で争いたくない」

このような方はこちらをクリック »
財産の使い込みで困っている

財産の使い込みで困っている

「財産を使い込んでいる相続人がいる」
「預貯金の使い込みを疑われている」

このような方はこちらをクリック »
最低限の相続分がもらえない

最低限の相続分がもらえない

「親の財産を相続できない」
「遺言に自分の相続分が書いてない」

このような方はこちらをクリック »
不動産の売却に納得しない相続人がいる

不動産の売却に納得しない相続人がいる

「住宅の処理について揉めている」
「親族間で話がまとまらない」

このような方はこちらをクリック »
相続人の一人が財産開示をしてくれない

相続人の一人が財産開示をしてくれない

「自分で調べようと思うがどうしたらいいか
わからない」

このような方はこちらをクリック »
相続したくない財産がある

相続したくない財産がある

「故人の借金を残していた」
「事情があって相続したくない」

このような方はこちらをクリック »
前妻との子との話し合いに不安がある

前妻との子との話し合いに不安がある

「聞いた事のない前妻と子どもがいた」
「突然、前妻が名乗り出てきた」

このような方はこちらをクリック »
遺言無効を主張したい

遺言無効を主張したい

「親が認知症だった」
「故人が書いた遺言だと思えない」

このような方はこちらをクリック »

FAQ

   

選ばれる理由

   

弁護士に相談するタイミング