Q&A 前妻との間の子に相続財産を渡したくない場合

質問

夫と前妻との間に子供いるこがとが判明しました。

現在夫が重い病に罹患しており、余命宣告されています。

夫にもしものことがあったとき、長年会っていない前妻との子供に相続財産を渡したくありません。

何か良い方法はないでしょうか?

 

解答

まずは遺言書を作成してください。

ただ、前妻の子どもは遺留分減殺請求権という権利を有しており、もしその権利を行使されたら本来の相続分の半分に相当する財産を渡さなくてはなりません。

そのような権利が認められている以上、もし遺言書で全ての財産を現在の妻やその子どもに指定してとしても前妻の子どもの遺留分までを奪うことは出来ません。

ただし、前妻の子が遺留分の主張をするかどうかは、相手の意思次第なので行使するかは分からないため、とりあえず遺言書を作っておけば相続分を最大でも半分にすることは出来ますし、一緒に住んでいた夫名義の不動産があるのであれば、これを確実に相続できるよう、前妻の子の遺留分にも配慮しながら遺言書を作成することが絶対に必要です。

もし、不動産などの換価しにくく、かつ、さして必要のない財産が相続財産に含まれているのであれば、その財産を前妻の子に相続させることで他の重要な財産を守ることが可能となります。

前妻との間に子どもおり、かつ自分名義の自宅不動産など守るべき財産のある方は、弁護士に相談した上で遺言書を作ることは絶対に必要ですし、現在の家族に対する責任であるといえます。

なお、公正役場の公証人は、何の問題もなく病院に出張して遺言書を作ってくれますので、病気で病院から出ることが出来ない方も公正証書遺言を作ることが可能です。

後の紛争を回避するため公正証書遺言を作成しておくことが肝要です。

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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