遺産の一部が漏れていた遺産分割協議書の効力はどうなるのか

Q:遺産の一部が漏れていた遺産分割協議書の効力はどうなるのか

 

相続人で遺産分割協議書に署名捺印をした後、遺産分割協議書に一部の財産が記載されていないことが判明した場合、遺産分割協議書の効力はどうなるでしょうか。

私は、兄がわざと遺産分割協議書から書き漏らしたのではないかと疑っています。この際、遺産分割協議書は無効にすべきだと思うのです。

私の主張は通るでしょうか。

 

A:遺漏した遺漏した財産の価値、内容等を考慮し特別な事情がある場合には無効となることもあります。

ただ、漏れていたのが預金・株式など簡単に分割できるものなら無効にはならない可能性が大きいです。

 

以下説明していきます。

遺産分割協議書を作成したときにわからなかった財産が判明したからといって、その遺産分割協議書は当然に無効となるわけではありません。

 

法律上「錯誤」に該当する場合には遺産分割協議は無効となりえるのですが、一部分について「勘違い」があったとしても無効にはならず、その遺産分割において重要な部分であるかどうかで判断されます。

 

遺漏していた財産の価値や遺産分割協議書に署名押印した経緯などを総合的に考慮して、無効とすべきかが判断されることになります。

 

上記のような点でお悩みでしたら、事案によって大きく結論が異なってきますので、ご自身のみで判断せずに専門家である弁護士に相談することをお勧めします。

 

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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