家族・親族間の遺産相続トラブルでありがちなパターンと対策

この記事を読むのに必要な時間は約7分です。

家族・親族間でよくある遺産相続トラブルのパターンを知り、その上で対策を出来れば、ある程度遺産分割の泥沼化を防ぐことが出来ます。

相続人同士の争いは、一度泥沼化してしまうと、以後親戚付き合いは到底出来ないくらい関係が悪化してしまいます。そうならないために、今回パターン別にお話しさせて頂きます。

 

1.兄弟姉妹間

同じ屋根の下で育った兄弟姉妹であれば通常は話合いで済むことが多いです。

ただ、兄弟姉妹間で揉めるときもあります。

 

まず挙げられるのが、兄弟姉妹間の誰か一人にかなり多くの相続をさせようとするときです。

自営業を営むなどして、長男に相続させないと商売が維持できないという事情があったとしても過度に相続分が偏ってしまうと商売の継続が不可能になっても、平等な遺産分割を主張されることもあります

 

これについての対策は、被相続人の方が遺留分を意識して遺言を書くということが必要になります。

逆に自分が商売を継続する側であれば、被相続人の方に

「遺言を書いてくれないと商売が継続できなくなるがそれでも良いのか?」

とはっきり伝えて、書くのか、商売を諦めるのか決断してもらって下さい。

「そんはずがない」

とおっしゃるでしょうが、そんなことになることがあるのです。

 

次に挙げられるのは、相続人の配偶者が口出しをしてくる、ということがよくあります

兄弟姉妹間では仲が良くても、「もらえるものはもらっておけ」と言い容赦なく遺産分割を求めてくる場合が多くあります。

相続の相談にはいらっしゃる方は、実は本人ではなく配偶者という方がかなりの数いらっしゃいます。

 

こういった場合の対策は、兄弟姉妹の配偶者も含めて親戚づきあいをしておくことだと思います

 

最近は減ってきましたが、兄弟姉妹のうち誰か一人だけが大学に行かせてもらえたなど、相続前の扱いに差があった場合も紛争かすることが多いです。

我慢した兄弟姉妹の気持ちが相続の際に爆発することがあります。

 

対策としては、過去は変えられないので、話をよく聞いて要望を把握して、多少の傾斜と申し訳なかったという言葉をかけるなどがあります。

 

最後ですが、元々兄弟姉妹間の仲が悪いと言うことがあります。

普段すら仲が悪いのに、相続時にトントン拍子で話が進むなどありません。

ある程度の紛争を覚悟して動いていく他ないと思います

 

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従前からきょうだい間の仲が悪く没交渉となっていたため、遺留分減殺請求を代理して解決した事案

 

2.甥や姪との相続

甥や姪との遺産分割の場合、小さい頃から交流が沢山あり、自分の子どものように接してきた等の人的関係があれば、スムーズに話合いが進むことも多いと思います。

しかし、核家族化が進む昨今、親戚づきあいもそれほどないことも多く、そういった場合は容赦ない要求が来ることも多いと言えます。

 

こういった際の対策は、従前関係をよく持っておく、具体的には甥姪と相続について話すと言うことは、兄弟姉妹がお亡くなりになっていらっしゃるでしょうから、最低限盆暮れに墓参りをして仏壇に手を合わせて、食事でもしながら故人を偲ぶなど、親戚づきあいをしておくということになります。

 

3.内縁関係者

正直内縁関係者との相続はもめやすい傾向にあります。

 

内縁の場合は法律上の地位がないので、遺産分割は本来できません。

そういった場合に遺言があることが多いです。

また、内縁の妻との間に生まれた子供などといった場合については相続権がありますので、内縁の子は相続人の一人になります。

 

対策というのはなかなか難しいと思います

内縁の方と交流するというのはかなりレアケースかと思います。

 

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被相続人の内縁の妻と交渉して財産の引き渡しと不動産の明け渡しを完了させて解決した事案

 

4.再婚をしている場合

先の配偶者や後の配偶者とその子ども、多い人ですと4,5回結婚しているということもありました。

そんな場合の遺産分割は話合いでなんとかなるという事の方が難しいです。

結婚、離婚、結婚生活には多額の出費があるため、余程の経済力がないと、それほど多くの遺産はないことが多いと思いますが、そういった場合でも揉めることが多いと言えます。

 

離婚後の相続でお困りの方へ

 

5.トラブルがパターンの特徴と対策

 

大体のパターンを述べてきましたが、大体共通する事があると思います。

まとめると

 

①紛争を避けようとするような人的関係がない

➣一番の紛争化の歯止めは、従前の関係が壊れることです。疎遠な相続人間では期待できません。

②相続人の誰か一人が優遇されている

➣相続時の相続割合だけではなく、従前のことも含みます。

 

③相続人ではない人に多くを渡す遺言がある

 

➣内縁関係などが典型例となります。

 

こういったケースで揉めることを把握した上で対策を練ることが重要です。

 

①普段から人的関係を築く

②兄弟姉妹間で平等に扱ってもらう

 

ということになります。

遺言での他人へ多く渡すというのは、被相続人の方と仲良くしておく、と言うことになるかと思います。

 

以上、親族間でありがちなトラブルのパターンと対策を述べてきました。

当たり前だな

と思われるかもしれません。

が、当たり前の関係がないから相続トラブルが起きてしまう。と相続を多数扱う弁護士として思います。

個々のケースでもっと有効なアドバイスも出来ることも多いので、お悩み等ありましたら是非一度当事務所の初回無料相談をご利用下さい。

 

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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