Q&A 被相続人から長年生活費の援助を受けていた相続人がいます。このような場合に特別受益が認められるのでしょうか?
質問
被相続人から長年生活費の援助を受けていた相続人がいます。このような場合に特別受益が認められるのでしょうか?
解答
状況によります。
但し、月10万円を超える部分の援助については、裁判所は特別受益と認める傾向にあります。
(東京家庭裁判審判平成21年1月30日、札幌家庭裁判所審判平成26年12月15日審判参照)
民法877条により、親は子供を扶養する義務があります。このことは子供が成人していても変わりません。
この問題は、特別受益といえるか、と、扶養義務の範囲内と言えるか、という二つの利益をどう調整していくかの問題と言えます。
裁判所の月10万円を超える部分という判断は、贈与税の年間控除額と概ね一致する金額であり、この程度の援助は、社会一般的に妥当な範囲として想定されていると考えているのかもしれません。
また、被相続人の意志が、相続分として援助していたわけではないことを黙示にでも表していた場合は、持戻し免除とされる余地もあるかと思います。
この記事の執筆者

- 島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
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