相続手続を放置し続けるとどうなるのか
相続手続きをしないとどうなるのかについて、ここでは手続きごとに説明していきたいと思います。
1 相続放棄・限定承認
相続放棄・限定承認については3ヶ月以内に行う必要があります(民法915条1項)。
3ヶ月以内に行わない場合には、民法921条2号によって単純承認したものとみなされ、以後は無限に権利義務を承継することになります(民法920条)。
3ヶ月以内に相続放棄をすることができない事情がある場合には、相続の承認又は放棄の期間の伸長の手続きをすることで、3ヶ月の期間を延長することができます(民法915条1項ただし書)。
3か月は本当にあっという間に過ぎます。
初動を可能な限り急いでください。
2 準確定申告
被相続人が確定申告をする必要がある場合、相続人が準確定申告を行う必要があります(準確定申告)。
準確定申告は相続開始があったことを知った日の翌日から4ヶ月以内に行わなくてはなりません。
準確定申告をしなければ、無申告加算税・重加算税・延滞税の支払いが必要となります。 また、場合によっては、5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金(併科もある)の刑罰が科される可能性があります。
この手続きだけは忘れないように細心の注意を払ってください。
3 相続税申告
相続税は、相続開始を知ったときから10カ月以内に行う必要があります(相続税法27条)。
相続税の申告をしなければ、無申告加算税・重加算税・延滞税の支払いが必要になります。 また、期限内に申告書の提出をしなければ、1年以下の懲役または50万円以下の罰金となり、偽りその他不正の行為によって相続税を免れた場合には10年以下の懲役もしくは1、000万円以下の罰金が課されます。
遺産分割に手間取り10カ月以内に終わらないような場合には、一旦法定相続分で申告をして、後に更正の請求をして、納めすぎた相続税を取り戻すことになります。
4 預金口座
被相続人の死亡が金融機関に知らせると口座は凍結されます。
預貯金は債権ですので、最後の取引から5年を経過すると、時効により消滅することになります。 また、最後の入出金から10年以上取引のない口座は休眠預金とされると、預貯金は預金保険機構に移されることになり、民間公益活動に利用される旨の法律が施行されています(休眠預金等活用法)。
5 不動産
不動産を所有している人は固定資産税を納める必要があります。 相続人が複数いる場合には、固定資産税に関する納税通知書を受取などの便宜の観点から、相続人代表者指定届を提出します。
以上相続手続を放棄した場合について述べてきました。
税金関係は重加算税や刑事罰などもありますので一層注意しましょう。
いずれにしても相続手続は平日の日中に行わなくてはなりません。
銀行など何度も通うことを強いられることもあります。
ご多忙で時間が取れない、面倒でやりたくない、そもそもよくわからないといった場合には当事務所では相続手続を代行しております。弁護士費用はかかりますが、あとはお待ちいただくだけですべて完了いたします。
相続手続でお悩みでしたら、まずは当事務所の初回無料相談をご利用ください。
事案ごとに注意したいポイントや採るべき方法をアドバイスさせていただきます。
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この記事の執筆者
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初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
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