配偶者、子ども及び親がいない相続について
目次
配偶者なし・子なし・親なしの相続はどうなるでしょうか。
答えは、原則として兄弟姉妹が遺産を相続することになります。
それを望まない場合、遺言を残すことで対応可能です。
以下説明していきます。
1 配偶者なし・子なし・親なしの場合、原則として兄弟姉妹が相続する
配偶者・子ども・親がおらず、被相続人の孫による代襲相続も発生していない場合は、法定相続人となるのは被相続人の兄弟姉妹となります。
兄弟姉妹が複数人いる場合、原則として各相続人の法定相続分は均等です(民法第900条第4号)が、被相続人と父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は、父母の双方を同じくする兄弟姉妹の2分の1(民法第900条4号ただし書)となります。
2 相続人である兄弟姉妹が死亡・行方不明の場合
相続発生前に兄弟姉妹が死亡している場合
被相続人が亡くなった時点で、その兄弟姉妹がすでに亡くなっている場合は、代襲相続が発生することになります。
代襲相続とは、死亡等によって相続権を失った相続人の代わりに、被代襲者の子どもが相続人になることをいいます。
被相続人の兄弟姉妹が死亡により相続権を失った場合は、その子どもである被相続人の甥・姪による代襲相続が認められています(民法第889条第2項、第887条第2項)。
兄弟姉妹が行方不明の場合
相続人となる被相続人の兄弟姉妹のうち誰かが行方不明の場合、そのままでは遺産分割を行うことができません。
遺産分割を進めるためには、行方不明の兄弟姉妹について不在者財産管理人の選任を申し立てることが考えられます(民法第25条第1項)。不在者財産管理人が家庭裁判所の許可を得れば、行方不明の兄弟姉妹の代わりに遺産分割へ参加させることができます。
また、7年間にわたり生死不明の兄弟姉妹がいる場合は、失踪宣告(民法第30条)の手続きを行うことも考えられます。失踪宣告が認められた場合、当該兄弟姉妹につき死亡したものとみなします(民法第31条)。
3 兄弟姉妹に相続させたくない場合
遺言書を作成すると、民法とは異なる相続割合を定め、または相続人以外の者に対して財産を遺贈することができます(民法第902条、第964条)。
兄弟姉妹には遺留分請求する権利はないため、自分の思い通りに遺産を処理できます。
ただ、不適式な遺言では、遺言が無効となるため、公正証書遺言を残すことをおすすめします。
更に、自分の意思を確実にするためには、弁護士に依頼して文案を作成してもらい、出来れば、弁護士を遺言執行者に選任しておくことが好ましいです。
他にも、生前贈与や信託という方法もありますが、遺言の方が確実、かつ、簡易であり、わざわざ遺言を避けることは通常ないと考えられます。
可愛がっているペットの面倒を見てくれる人に財産を渡したいときなどは、信託を利用することもあるにはあります。
そのあたりも、ご自身が望んでいることを実現するためには、何を選択すればよいか弁護士に相談すべきといえます。
以上、配偶者、子ども及び親がいない相続について説明してきました。
実際には事案ごとに変わってくることもありますので、是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
事案に即したアドバイスをさせていただきます。
この記事の執筆者
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当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。
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