相続の遺産分割とは?揉めやすい不動産の評価額算出と分割方法を弁護士が解説

相続の遺産分割とは?揉めやすい不動産の評価額算出と分割方法を弁護士が解説

0 はじめに

 

遺産分割の中には、預金や上場株式のように簡単に分割できるものもありますが不動産は
そう簡単にはいきません。
不動産にはいくつか評価方法があり、そのことも含めて以下で説明していきます。

1 不動産の分割方法

不動産の遺産分割は時価で評価して行うのが通常です。
相続税評価額や不動産鑑定評価額などを用いることもあります。
遺産分割における財産の評価方法は法律で決められているわけではないため、相続人同士
の話し合いで決めることも可能です。
遺産分割の内容は相続人全員で合意する必要があります。
相続人の1人が単独で不動産を受け継ぐケースでは不動産の評価で揉める恐れがあります
。不動産を相続する人は、不動産の評価額をできるだけ低くして代償金を安くしたいと考
えるでしょうし、相続しない人は相続する不動産の評価額をできるだけ高くして代償金を
高くしたいと考えるでしょう。
不動産の評価について合意が得られない場合、それだけを理由に調停となり、不動産鑑定
士に鑑定してもらうこともあります。
その一方で相続税の申告期限は延長できないので、話が拗れた場合は早めに弁護士に相談
することをおすすめします。

2 不動産の評価方法

不動産の評価方法には複数の種類があり、主に下記の5種類です。

1 時価

遺産分割の際には不動産を時価で評価することが一般的です
通常は不動産会社の査定を取ります。いくつかの会社からとれば大体の金額を把握できま
す。

2 不動産鑑定評価額

不動産鑑定士は不動産の正確な評価額を鑑定してもらうことも可能です。
ただ、鑑定料として数十万円程度の費用がかかります。
どうしても話し合いが上手くいかない場合には、裁判所を介して不動産鑑定士に鑑定をし
てもらうことになります。

3 公示地価

公示地価とは、国土交通省が発表しているその年の1月1日時点の全国の標準値の土地価格
です。
発表された公示地価は土地取引や相続税評価、固定資産税評価の目安になります。

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4 相続税評価額

相続税評価額を基準することもあります。
相続税評価額とは相続税や贈与税の計算に使用する評価額です。

5 固定資産税評価額

固定資産税評価額を基準にすることもあります。
固定資産税評価額とは固定資産税の計算をする際に用いる評価額です。

 

3 不動産評価額で揉めたときの対処法

遺産分割で揉めてしまうと遺産分割時に不動産の評価額で揉めたときにはどうすればいい
でしょうか。
以下で説明していきます。

1 協議する

まずは相続人同士で協議をして解決を目指しましょう。

2 遺産分割調停を行う

相続人同士の協議で解決できない場合は、遺産分割調停で遺産分割方法や相続財産の評価
方法を決めることになります。
調停という家庭裁判所の手続ですが実際は協議と同じく話し合いをすることになります。
ただ、ある程度は手続の流れが決まっているため、不動産の評価のみ折り合いがつかない
ことがわかれば、裁判所での不動産鑑定士に鑑定することになることが多いです。
第三者である調停員が間に入っての話し合いのため、冷静になることで話がまとまること
もあります。

3 遺産分割審判を行う

遺産分割調停で相続人全員の合意ができなかった場合、審判に移行します。
遺産分割審判では、相続人それぞれが自分の主張を証明する証拠を提出し裁判官に審判を
下してもらいます。
遺産分割審判では裁判官が遺産分割方法や不動産の評価方法を決定します。
遺産分割審判では、法定相続分による遺産分割と不動産鑑定評価額を用いて土地を評価す
ることと決まるケースが多いです。
以上、遺産分割における不動産の評価額について説明してきました。
実際には、対象となる不動産によって取るべき選択肢も変わってきます。
ご自身のみで悩むのではなく、専門家に相談することをおすすめします。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
事案毎に適切なアドバイスをさせていただきます。

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。

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