遺留分と遺言書はどちらが優先されるのか
遺留分とは、相続できる遺産の最低保障額です(民法1042条1項)。
遺言書で遺留分よりも少ない相続分が指定された場合、遺留分侵害額請求を行うことができます。
結論から言えば、この遺留分について法律で認められた強力な権利であり、は遺言書によっても奪うことはできません。
遺言書によって確定的にできることは、法定相続分を遺留分にまで減額することになります。
ただ、遺留分を侵害する遺言書も原則有効であり、そのような遺言を相続人が受け入れればそのまま遺産分割されることとなります。
遺言書の内容に納得がいかない場合、遺留分侵害額請求をすることになります。
遺留分侵害額請求を行うと、遺留分額と実際に取得した財産額の差額につき、金銭による支払いを受けられます(民法1046条1項)。
被相続人が生前にできる遺留分対策の例
生前に遺留分請求を見越してできるいくつかの対策があります。
①遺留分を放棄してもらう
相続人に遺留分を放棄してもらえば、遺留分に関するトラブルが生じることはなくなります。ただし、遺留分の放棄は相続人の任意であり、強制することはできません。
現実問題これに応じる人は遺言にしたがってくれますので、揉める可能性のある相続人んはそもそも遺留分放棄をしないことが殆どです。
②相続財産を減らす
生前贈与を行ったり、生命保険の掛け金を支払ったりして相続財産を減らせば、財産を与えたくない相続人の遺留分額を減らせる可能性があります。
ただ、生前贈与のうち、相続開始前10年間(相続人以外の者に対する場合は、相続開始前1年間)に行われたものについては、遺留分の基礎となる財産に含まれることになります。
③遺言書の付言事項を残す
付言事項は遺言書に記載する伝言です。
ここに、なぜそのような分け方にするのか、その分け方を受け入れてほしいとお願いすることで相続人が納得してくれることもあるかもしれません。
以上、遺留分と遺言書の優劣について述べてきました。
遺言書によってご自身が考えるように遺産分割をしてほしい方、遺言書により自己の相続分が減ってしまった方、いずれも専門家である弁護士に相談することをお勧めします。
思い込みで取った方法によりかえって紛争を激化してしまうこともあります。
是非当事務所の初回無料相談をご利用ください。
ご自身の目的に沿った適切な手段をしっかりと提案させていただきます。
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初回相談は無料でお受けしておりますので、お悩みの方は、お一人で抱え込まず、ぜひ一度相続に注力する弁護士にご相談ください。
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