負担付死因贈与契約について

この記事を読むのに必要な時間は約5分です。

老後の面倒を見てくれることを条件に遺産を相続させたい

そんな希望をお持ちの方が相当数相談にいらっしゃいます。
こんなときに用いるのが負担付死因贈与契約です。

 

1 負担付死因贈与契約とは

贈与する人の「死後に財産を贈与する」という意思表示に、贈与を受ける人が合意する契約で、贈与する人の死亡を条件に贈与契約の効力が生じるのが「死因贈与契約」です。
「負担付」というのは、贈与をする方が、贈与を受ける方と、何らかの義務・負担をしても
らう約束をすることです。
贈与を受ける方は、相続発生までにその義務・負担を履行することになります。

 

2 負担付死因贈与契約の注意点

死因贈与において、一番大事なのは条件を明確にしておくことです。
一体何をすればよいか曖昧の場合、義務を履行していないなどと相続人から異議が入り紛争を助長してしまうかもしれません。
また、相続人が怒り心頭になるような内容にもしない方が賢明です。

 

3 負担付死因贈与契約における契約書作成の注意点

まずは、贈与する財産をしっかりと特定することです。
預金であれば、銀行名 支店名 預金種類など
不動産であれば登記のとおりにしっかりと特定する必要があります。

 

ご自身では不安という場合には弁護士に契約書の作成を依頼することが必要かと思います。

また、確実に契約内容を履行させたいのであれば、しっかりと履行してくれる人を執行者に指名することが必要です。

 

この点よくあるのが贈与を受ける方を指名すると他の相続人の感情を害することに繋がるため、ここも弁護士を指名することが最適と言えます。

 

遺言と同様に、執行者を指名することができます。

 

また、その契約書は、公正証書にしておくことがベストと言えます。

 

贈与をする方の意思ではない、騙されて書かされたんだ、本人の字ではない
などと異議が出ることを予め防ぐことが出来ます。

 

4 負担付死因贈与契約の撤回

 

死因贈与契約も贈与契約であり、民法の規定通り書面化されていないのであれば、生前に負担した義務の範囲を除いて、贈与をする方が撤回出来ます。
贈与を受ける側としては、負担をすることが条件となっているのですから、いつ撤回されるかわからないという状況では不安かと思います。
やはり書面化してもらうべきと言え、公正証書で書面化することがベストと言えます。

負担が履行されていない場合や負担のない死因贈与契約は、遺贈の規定により、贈与者は撤回が可能です。
しかし、負担が全部または一部履行された場合は、原則として贈与者は撤回することができません。
ただし、撤回することがやむをえない「特段の事情」があれば、遺贈の規定により贈与者は撤回出来る場合がありますが、実際にはなかなか想定しづらいかと思います。

 

5 遺贈との違い

死因贈与が両者の合意による契約であるのに対し、遺贈は贈与する人の一方的な意思表示であり契約ではありません。

 

効力の発生は、どちらも贈与する方が亡くなった後であること、遺留分減殺請求を受ける可能性があるという点はどちらも同じです。

 

遺贈の場合は、遺言書で遺言執行者を付けたとしても、相続人全員が遺言書に反する内容で協議し、合意した場合、遺言内容を無理矢理実行させることは出来ません。
それに対し、負担付死因贈与契約の場合は、書面がしっかり作成されていれば、贈与を受ける人も承諾しているため、贈与する人の意思を確実に実現したい場合は、遺贈よりも実行性に優れていると言われています。

 

どうしても、望んだ条件を履行してもらいたい、履行してくれたら遺産を渡したい、
そういった際に採るべき手段としては負担付死因贈与契約が適しています。

 

ただし、通常の相続をせずに「あえて」行うわけですから慎重かつ適式に行う必要があります。
やはり専門家である相続に注力する弁護士に相談することをお薦めします。

 

まずは当事務所の初回無料法律相談お気軽にご利用下さい。

この記事の執筆者

島武広
島武広島法律事務所 代表弁護士(神奈川県弁護士会所属)
当サイトでは、相続問題にまつわるお悩みに対して、弁護士の視点で解説をしています。また、当事務所にて携わった事案のポイントも定期的に更新しています。地元横須賀で、「迅速な解決」を大切に代理人として事件の解決に向けて取り組んでいます。

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