きょうだい間の二次相続がもめる理由と対策

1.二次相続とは何か

二次相続とは、両親のうち一方が亡くなった(一次相続)後に、一次相続により被相続人から財産を相続した相続人(配偶者)が亡くなった際に発生する2度目の相続のことです。

例えば、父から財産を相続した母が亡くなり、その子どもたちが母の遺産を相続する場合がこれに該当します。

一次相続では相続人が「配偶者と子ども」であることが一般的ですが、二次相続では配偶者が既に他界しているため、子ども同士(きょうだい)だけで遺産分割を話し合うことになる点が大きな違いです。

 

2.きょうだい間の二次相続がもめる5つの理由

二次相続は一次相続に比べて、家族間の争い(いわゆる「争族」)が生じやすいとされています。

その主な理由は以下の5つです。

  • 親というストッパー(仲裁役)がいない:一次相続では健在な親が仲裁役となり、高齢の親への配慮から穏便に進められることが多くあります。

しかし二次相続では親がいないため、きょうだい間で遠慮がなくなり、自分の主張を押し通そうとして感情的な対立がエスカレートしやすくなります。

  • 相続税が高額になりがち:二次相続では基礎控除が減り、配偶者控除などの特例が使えなくなるため、一次相続よりも相続税の負担が大きくなりやすいです。

納税額が増えると取得できる遺産が減るため、少しでも多くの遺産を受け取りたいという心理が強まります。

  • 遺産が分けづらい不動産ばかりになりやすい:一次相続で配偶者が自宅を相続し、子どもが現金を相続するケースが多いため、二次相続の遺産は不動産に偏りがちになります。

不動産は単純に分割できず、誰が相続するのか、代償分割の際の評価額をいくらにするかなどを巡って争いが起きやすくなります。

  • 介護負担の偏りと寄与分の主張:親の介護を特定の子どもが担っていた場合、相続時に「介護をした分、遺産を多く受け取りたい」と寄与分を主張し、他のきょうだいと意見が対立することがあります。
  • 親の財産管理による遺産隠しや使い込みの疑い:生前に一人の子どもが親の財産を管理していた場合、他の子どもから「親の財産を自分のために使っていたのではないか」と使い込みを疑われたり、過去の生前贈与(特別受益)を巡って不公平だと主張されたりして、もめ事に発展しやすくなります。

 

3.二次相続でもめないための事前対策

きょうだい間のトラブルを防ぐためには、親が健在なうちや一次相続の段階から対策を行うことが重要です。

  • 一次相続での遺産分割の調整:一次相続で配偶者控除を利用して配偶者に遺産を集中させると、二次相続での相続税が跳ね上がる可能性があります。

将来の二次相続を見据えて、一次相続の段階から配偶者の取得する遺産を調整することが大切です。

  • 家族信託の利用:家族信託を利用すれば、一次相続から二次相続に至るまでの財産の流れをあらかじめ指定しておくことができます。

例えば、「父の死後は母に、母の死後は長男に」といったように、二次相続の承継先まで契約で自由に定められるため、争いを防ぐ有効な手段となります。

  • 遺言書の作成:親に遺言書を残してもらうことも有効です。

遺言は二次相続の承継先までは指定できませんが、それぞれの相続におけるトラブルを避ける力があります。

お盆や法要など、死後の話を切り出しやすいタイミングで親に作成を提案してみましょう。

  • 介護や財産管理の記録を残す:介護や財産管理を担う子どもは、要介護認定資料、医療機関の領収書、介護日誌、預金通帳や家計簿などの記録を必ず残しておくべきです。

これにより、後から使い込みを疑われるのを防ぎ、寄与分を客観的に証明する証拠となります。

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4.相続税が高額になる理由と税務上の対策

二次相続では以下の理由により、相続税が多額になることが多く、事前の対策が不可欠です。

  • 基礎控除の減少:二次相続では配偶者が亡くなっているため法定相続人が1人減り、相続税の基礎控除額が少なくなります。
  • 配偶者控除が使えない:一次相続で利用できた、最低1億6000万円まで非課税となる「配偶者控除」が二次相続では利用できません。
  • 小規模宅地等の特例適用のハードル:自宅の評価額を最大80%減額できる特例ですが、子どもが相続する場合は「親と同居していること」など適用要件が厳しくなり、利用できないケースが増えます。

税務上の対策としては、年間110万円の非課税枠を利用した生前贈与や、生命保険の非課税枠(500万円×法定相続人の数)の活用が考えられます。

また、一次相続から10年以内に二次相続が発生した場合は「相次相続控除」を利用して税負担を軽減できる場合があります。

 

5.二次相続でもめてしまった場合の解決方法

事前に対策をしていても、実際に二次相続でもめてしまった場合は、以下の手順で解決を図ります。

  • 話し合い(遺産分割協議):まずはきょうだい間での話し合いによる解決を目指します。

余分な時間や費用をかけないためにも、自分たちで解決できるに越したことはありません。

  • 遺産分割調停の利用:話し合いで合意が難しい場合は、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てます。中立な調停委員が間に入り、妥協点を探ります。

調停が不成立になれば審判に移行し、裁判官が分割方法を決定します。

  • 弁護士への依頼:話し合いが困難な場合や調停に進む場合は、相続問題に強い弁護士に依頼することが有効です。

弁護士が法的な根拠に基づいて相手と交渉するため、顔を合わせるストレスを軽減し、公平で納得のいく解決を目指すことができます。

 

以上、きょうだい間の二次相続について説明してきました。

遺産分割でお悩みでしたら是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。

相続を専門とする弁護士として、事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

 

 

 

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