遺留分侵害請求された場合の弁護士費用 弁護士が徹底解説

1.遺留分侵害額請求とは?なぜ請求されるのか

「長男に全財産を相続させる」といった偏った内容の遺言書や、生前に特定の相続人だけに多額の贈与がなされていた場合、他の相続人は遺産を全く(あるいは極端に少なくしか)受け取れなくなってしまいます。

しかし、残された家族の生活保障などを目的として、配偶者、子ども、直系尊属(父母や祖父母)には、遺言によっても決して奪うことのできない最低限の遺産の取り分である「遺留分」が法律で保障されています。

この遺留分を侵害された相続人(例えば、全財産を相続した長男に対する、何ももらえなかった妹など)が、侵害した相手に対して「不足している遺留分を現金で払いなさい」と求めることを「遺留分侵害額請求」と呼びます。

遺言書通りに財産を相続したとしても、他の相続人からこの請求を受ければ、不足額に相当する金銭を支払わなければならない義務が生じるため、突然の請求に戸惑う方は非常に多くいらっしゃいます。

 

2.弁護士に依頼するとかかる費用の「相場と内訳」

遺留分侵害額請求をされた側が、相手との交渉や法的手続きを弁護士に依頼した場合、主に「相談料」「着手金」「報酬金」「実費」「日当」の5つの費用がかかります。

 

① 相談料

正式に依頼する前に弁護士に話を聞いてもらうための費用です。相場は30分あたり5,000円〜1万円程度ですが、近年は「初回相談無料」としている事務所も増えています。

 

② 着手金

弁護士に正式に依頼し、相手との交渉をスタートしてもらう際に最初に支払う「初期費用」です。相場は20万円〜50万円程度で、相手の請求額の大きさや事案の複雑さによって変動します。このお金は、最終的に相手の請求を減額できなかったとしても原則として返還されません。

 

③ 報酬金(成功報酬)

弁護士の交渉や裁判によって、相手の請求額から「減額できた金額(経済的利益)」に応じて、解決時に後払いする費用です。相場は、減額できた金額の10%〜16%(消費税別)程度となるのが一般的です。

 

④ 実費と日当

戸籍謄本の取得費用や内容証明郵便の郵送代、裁判所に納める印紙代などの「実費(数千円〜数万円程度)」と、弁護士が調停などで遠方の裁判所へ出向く際に発生する「日当(1日あたり数万円程度)」がかかります。

 

3.弁護士費用は相手に請求できるのか?

「相手が理不尽な請求をしてきたせいで弁護士を雇うはめになったのだから、弁護士費用も相手に払わせたい」と考えるのは自然なことです。

しかし、日本の法律実務において、遺留分侵害額請求の対応にかかった弁護士費用は、原則として「依頼した本人が全額負担」しなければなりません。

交通事故の損害賠償のように、相手方の不法行為によるものではないため、弁護士費用を相手に請求することはできず、自分の持ち出しになるという点を理解しておく必要があります。

 

4.具体的な費用シミュレーション(どれくらい手元に残るか)

弁護士に依頼するかどうかを判断する上で最も重要なのは、「弁護士費用を払っても、結果的に自分が支払う総額(実質的な負担)が減るのかどうか」という点です。

 

【シミュレーション例:相手から1,000万円を請求され、弁護士の交渉で400万円(600万円の減額)に抑えられた場合】

・着手金:33万円(税込)

・報酬金:減額できた600万円の11〜17.6%程度=約85万円(税込・旧日弁連基準準拠の場合)

・弁護士費用合計:約118万円

・実質的な負担総額:相手に払う400万円 + 弁護士費用118万円 = 518万円

 

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もし弁護士に依頼せずに相手の言い値である1,000万円を払っていた場合と比べると、約482万円も支出を抑えられたことになります。

このように、減額幅が大きい事案では、弁護士費用を支払ってもお釣りがくるほどの実質的な経済的メリットを得られる可能性が高いのです。

以上のような弁護士費用となることが多いかと。

 

5.要注意!「費用倒れ」になるケースとは

弁護士に依頼すれば必ず得をするわけではありません。場合によっては、減額できた金額よりも弁護士費用の方が高くなってしまう「費用倒れ」のリスクもあります。

例えば、相手からの請求額が100万円程度と少額な場合、弁護士が頑張って50万円に減額できたとしても、着手金と報酬金で50万円以上かかってしまえば、自分で100万円払った方がマシだった、ということになりかねません。

また、相手の計算が完全に正確で、不動産評価や生前贈与の争点もなく、「これ以上1円も減額できない」と判断される場合も、着手金だけを損してしまうことになります。

そのため、正式に依頼する前に、必ず無料相談などを利用して弁護士に「どれくらい減額できそうか」「費用倒れにならないか」の見通しを率直に尋ねることが極めて重要です。

 

6.請求が来たら絶対にやってはいけないNG行動

相手から「遺留分侵害額請求書」という内容証明郵便が届いた場合、絶対にやってはいけないNG行動があります。

 

① 相手からの連絡に直接応じること

電話や口頭でのやり取りは「言った、言わない」のトラブルになるだけでなく、相手のペースに巻き込まれて「わかった、その金額で払う」と不利な発言をしてしまう危険があります。

 

② 安易に合意書にサインすること

「計算は合っているからサインして」と言われても、一度でも署名・押印してしまうと、後から「やっぱり不動産の評価額が高すぎる」と気づいても覆すことはほぼ不可能です。

 

③ 請求を無視・放置すること

無視し続けると、相手は家庭裁判所に調停を申し立て、最終的には訴訟(裁判)を起こして強制執行(財産の差し押さえ)に動く可能性が高いため、放置は厳禁です。

 

7.弁護士に依頼する絶大なメリット

遺留分侵害額請求の計算は非常に複雑で、生前贈与(特別受益)の持ち戻し計算や、不動産の適正な時価評価など、高度な専門知識がなければ正確な金額は算出できません。

相手が提示してきた請求額は、相手にとって最も有利な(最も高い)評価額で計算されていることが多いため、弁護士が再計算するだけで数百万円単位で適正額に減額できるケースが頻発しています。

また、骨肉の争いになりがちな親族間の金銭トラブルにおいて、弁護士が窓口となってすべての交渉を代理してくれることで、相手と直接話さなくて済むという精神的なストレスの軽減は計り知れません。

遺留分の請求を受けた場合は、相手の言い値で支払ったり、感情的に反発して関係を泥沼化させたりする前に、まずは冷静に相続に強い弁護士に無料相談を行い、自分を守るための最適な防衛策を立ててもらいましょう。

 

是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。

相続を専門とする弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

 

 

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