遺産の不動産がリバースモーゲージを利用していた場合の対処法 弁護士が徹底解説

1.リバースモーゲージを利用していた実家の相続の難しさ

「親が亡くなり実家を相続しようとしたら、親がリバースモーゲージを利用して自宅を担保にお金を借りていたことが発覚した」というケースが増えています。

リバースモーゲージとは、高齢者が自宅(土地・建物)を担保にして金融機関から老後の生活資金などを借り入れ、生きている間は利息のみを支払い、死亡した時に元金(借入金)を自宅の売却代金で一括清算する仕組みのローンです。

親が亡くなった瞬間、相続人は単に「実家という不動産」を引き継ぐのではなく、「数千万円の借入金(マイナスの財産)」と「一括返済の義務」を同時に引き受けることになり、そのまま放置すれば実家は金融機関によって強制的に売却されてしまいます。

一般的な不動産相続のように「誰が実家に住むか」「どうやって兄弟で分けるか」をのんびりと話し合っている猶予はなく、すぐに金融機関への対応方針を決めなければならないという非常にシビアな問題が待ち受けています。

 

2.最初に確認すべき「契約の型(リコースかノンリコースか)」

親が亡くなった後、相続人が真っ先に金融機関へ連絡して確認しなければならないのが、そのリバースモーゲージ契約が「リコース型」なのか「ノンリコース型」なのかという点です。

実家を売却した代金でローンの残債を全額完済できれば問題ありませんが、不動産価格の下落などにより「売却代金よりも借金の方が多い状態(オーバーローン)」になった場合の扱いが決定的に異なります。

・リコース型:実家を売っても返しきれなかった借金の残り(不足分)を、相続人が自腹で(自己資金で)返済する義務を負う契約です。

・ノンリコース型:実家を売却して足りなかった場合でも、それ以上の返済義務を相続人が負わない(借金がチャラになる)契約です。(※住宅金融支援機構の「リ・バース60」などでよく利用されています)。

自分が自己資金で借金を背負う危険性があるのかどうかを、契約書や金融機関への照会で正確に把握することが初期対応の最重要ポイントです。

 

3.相続人が取れる「3つの選択肢」

リバースモーゲージの契約者が亡くなった場合、実家と借入金をどう処理するかについて、相続人には主に以下の3つの選択肢があります。

 

① 実家を売却して清算する(最も一般的なケース)

金融機関の主導、あるいは相続人自身が不動産会社を通じて実家を任意売却し、その代金でローンを一括返済します。

売却代金が残債を上回った場合、余ったお金(残金)は相続人のものになり、遺産分割の対象として兄弟で分けることができます。

 

② 自己資金で一括返済し、実家を手元に残す

「どうしても実家を手放したくない」「親と同居していた自分がそのまま住み続けたい」という場合は、相続人が自分の貯金などの自己資金を用意して、リバースモーゲージの残債を全額一括返済すれば、実家を売却されずに相続することができます。

また、配偶者が連帯債務者となっている場合や一定の条件を満たす場合は、配偶者が契約を引き継いでそのまま住み続けられる特例が設けられている金融機関もあります。

お問い合わせはこちら

 

③ 相続放棄をする

リコース型の契約で、実家の価値よりも借金の方がはるかに大きく、親の預貯金などのプラスの財産も少ない場合は、借金だけを背負うことになってしまいます。

この場合、家庭裁判所で「相続放棄」の手続きを行えば、借金の返済義務を一切免れることができます。

 

4.相続放棄を検討する場合の「絶対NG行動」

相続放棄は、「自分が相続人になったことを知った時から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。

ここで絶対にやってはいけないのが、放棄をする前に「実家の中にある価値のある家財道具を勝手に売却して現金化する」「親の預金口座からお金を引き出して借金の返済に充てる」といった行為です。

これらの行為は、法律上「親の財産を自分のものとして処分した(単純承認した)」とみなされ、その後は一切相続放棄ができなくなり、数千万円の借金を背負わされてしまう極めて危険なリスクがあります。

放棄を検討している期間中は、実家の鍵を管理する程度の保存行為にとどめ、勝手な処分は絶対にしないでください。

 

5.兄弟(子)が立て替えて返済する場合の「税務トラブル」に注意

「実家を残すために、長男が自分のお金を出して親のリバースモーゲージを一括返済した」というケースでは、親族間でのお金のやり取りが税務上のトラブルになることが多々あります。

長男が親(連帯債務者として残された母親など)の借金を肩代わりした形になると、税務署から「長男から母親への多額の贈与」とみなされ、母親に高額な贈与税が課せられる危険性があります。

これを防ぐためには、「長男が母親にお金を貸した(貸付)」という形にするため、親子間であってもきちんと金銭消費貸借契約書を作成し、返済期限や利息を定め、毎月少額でも銀行振込で返済実績を作っておくといった厳密な対応が必要です。

 

6.素人判断は危険!まずは専門家に相談を

リバースモーゲージが絡む相続は、「金融機関との返済交渉・売却条件の調整」「不動産会社による実家の売却査定」「残債をマイナス財産として計算する相続税の債務控除」「相続放棄の期限管理」「親子間で立て替えた場合の税務処理」など、法律・税務・不動産の高度な専門知識が入り乱れる最難関の相続トラブルの一つです。

「金融機関の言う通りに印鑑を押したら、後から多額の借金を請求された」「実家を売るタイミングを間違えて、税金の特例(小規模宅地等の特例など)が使えなくなり大損した」といった後悔をしないために、親の死後、リバースモーゲージの存在が発覚した時点で、一刻も早く相続に精通した弁護士や税理士などの専門家チームに相談してください。

専門家が間に入ることで、契約内容を正確に分析し、あなたの手元に最も多く財産が残る(あるいは借金を背負わずに済む)安全で確実なロードマップを提示してくれます。

是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。

相続を専門とする弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

相続財産の分け方で困っている

相続財産の分け方で困っている

「親族が揉めていて話し合いが進まない」
「相続財産で争いたくない」

このような方はこちらをクリック »
財産の使い込みで困っている

財産の使い込みで困っている

「財産を使い込んでいる相続人がいる」
「預貯金の使い込みを疑われている」

このような方はこちらをクリック »
最低限の相続分がもらえない

最低限の相続分がもらえない

「親の財産を相続できない」
「遺言に自分の相続分が書いてない」

このような方はこちらをクリック »
不動産の売却に納得しない相続人がいる

不動産の売却に納得しない相続人がいる

「住宅の処理について揉めている」
「親族間で話がまとまらない」

このような方はこちらをクリック »
相続人の一人が財産開示をしてくれない

相続人の一人が財産開示をしてくれない

「自分で調べようと思うがどうしたらいいか
わからない」

このような方はこちらをクリック »
相続したくない財産がある

相続したくない財産がある

「故人の借金を残していた」
「事情があって相続したくない」

このような方はこちらをクリック »
前妻との子との話し合いに不安がある

前妻との子との話し合いに不安がある

「聞いた事のない前妻と子どもがいた」
「突然、前妻が名乗り出てきた」

このような方はこちらをクリック »
遺言無効を主張したい

遺言無効を主張したい

「親が認知症だった」
「故人が書いた遺言だと思えない」

このような方はこちらをクリック »

FAQ

   

選ばれる理由

   

弁護士に相談するタイミング