遺留分請求をするかどうか迷ったら 弁護士が徹底解説

1.遺留分とはどのような制度か

被相続人(亡くなった方)は、生前に財産を誰にどう譲るかを遺言や贈与で自由に決めることができます。

しかし、全財産を特定の誰か(特定の相続人や愛人、寄付など)に譲るとなると、残された家族の生活が保障されない場合があります。

このような事態を防ぐため、一定の相続人に対して最低限の財産取得を保障する制度が「遺留分」です。

遺留分を請求できるのは、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属(父母など)であり、兄弟姉妹には遺留分がありません。

もし、遺留分を侵害されるような遺言や生前贈与があった場合、「遺留分侵害額請求」を行うことで、侵害された分に相当する金銭を取り戻すことができます。

ただし、2019年の民法改正により、財産そのもの(不動産など)を取り戻すのではなく、「金銭の支払い」を請求する形に統一されています。

 

2.遺留分請求を迷うのは自然なこと

「兄弟とこれ以上もめたくはない」「弁護士費用がかかって赤字(費用倒れ)にならないか心配だ」と、遺留分請求を迷う方は少なくありません。

家族との関係やお金の不安が入り混じり、どう行動すべきか悩むのは非常に自然なことです。

このような場合は、すべての不安を一度に考えるのではなく、「法律上請求できる金額はいくらか」「相手から本当に回収できるか」「家族関係への影響をどう減らすか」といったように、問題を分けて整理することが大切です。

迷っている段階であっても、まずは「期限の確認」と「資料集め」から始め、選択肢を残しておくことが重要です。

 

3.【要注意】時効が迫っているならすぐに行動を

遺留分請求を迷っている間に、もっとも注意しなければならないのが「消滅時効」です。

遺留分侵害額請求権は、「相続の開始」および「遺留分を侵害する贈与または遺贈があったこと」を知った時からわずか『1年』で時効にかかり、権利が消滅してしまいます。

また、これらを知らなくても、相続開始から『10年』が経過すると、除斥期間により同様に請求できなくなります。

相手と話し合いをしている最中であっても、時効のカウントは止まりません。

そのため、時効が迫っている場合は、迷っていてもまずは内容証明郵便などで「遺留分侵害額請求権を行使する」という意思表示を相手に確実に届けることが最優先となります。

金額が正確に分からなくても、意思表示だけは先に行っておくべきです。

 

4.費用倒れを防ぐために確認すべきこと

弁護士に依頼して請求を行った結果、手元に残るお金より弁護士費用が高くなってしまう「費用倒れ」を心配する声も多いです。

これを防ぐためには、まず「請求見込額」をざっくりと把握することが大切です。

遺産全体(不動産、預貯金など)や生前贈与、債務を整理し、「少なくともこのくらいは請求できそうだ」という概算を出します。

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次に、相手の「回収可能性」を見極めます。

法律上は請求できても、相手にお金や財産(取得した不動産や預貯金など)がなければ、実際に支払ってもらうのは難しくなります。

請求額が小さく、相手の支払い能力も不明な場合は、弁護士への相談だけで方針を決め、「今回は請求しない」と判断するのも一つの選択肢です。

 

5.証拠が少なくても諦めない

「手元に遺言書しかない」「相手が通帳を見せてくれない」など、証拠が少ない状況でもすぐに諦める必要はありません。

不動産の登記事項証明書や、金融機関への照会など、後から集められる資料もあります。

ただし、相手の言いなりになって、証拠が不十分なまま低い金額で合意してしまうのは危険です。

また、「今後一切請求しない」という書面に安易に署名押印してはいけません。

何が分かっていて何が足りないのかを整理するためにも、証拠が少ない段階から弁護士に相談するのが有効です。

 

6.家族とのトラブルを最小限に抑える方法

「請求したら家族と絶縁になるのでは」という不安に対しては、進め方を工夫することで精神的負担を和らげることができます。

たとえば、直接電話で言い争うのではなく、まずは書面で冷静に「遺留分について確認したいので資料を共有してほしい」と連絡する方法があります。

さらに、弁護士に依頼して交渉窓口を任せれば、当事者同士が直接顔を合わせる必要がなくなり、感情的な対立を防ぐことができます。

話し合いでまとまらなければ、家庭裁判所の「遺留分侵害額調停」を利用し、第三者(調停委員)を交えて冷静に話し合うことも可能です。

 

7.弁護士に相談・依頼するメリット

遺留分の計算や、財産調査、時効の管理、相手方との交渉など、遺留分請求には複雑な法律知識が求められます。

弁護士に相談すれば、自分に遺留分があるのか、どの程度の金額が見込めるのか、費用倒れにならないかといった見通しを立てることができます。

依頼後は、必要な戸籍や証拠の収集、内容証明郵便の作成・送付、そして精神的に負担の大きい相手方との交渉まですべて代行してくれます。

また、相手から遺留分を請求されてしまった側であっても、不利な状況を避けるために弁護士のサポートは不可欠です。

遺留分請求は一生に一度あるかないかの大きな問題ですので、迷っている段階でも、手元にある資料を持って早めに弁護士の無料相談などを活用することをおすすめします。

是非島・鈴木法律事務所初回無料相談をご利用ください。

相続を専門とする弁護士として事案に即した適切なアドバイスをさせていただきます。

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